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予習について

今週から(急だけど!)授業スタイルを進化させ、みんなと考えながら議論をする形式に移ろうと思います。

そこで、皆さんには予習をしてきていただきたい。
予習はいつもどおりここにあげます。

予定としては、ある事件が起こったことを想定して、皆さんに
1、どこが問題点なのか。
2、問題となる部分には、どんな対立があるのか。
を考えてもらってから活動に来てもらいたいと思います。


今回は、時間的にぎりぎり(調査の時間が水曜日一日しかない)となってしまったので、私(書記)がみなさんにしてほしい行動を解答として示しながら、予習問題をあげますので、見ておいてください。

**予習問題**
1、Aは、Bをちょっとシメてやろうと思い、Bを夜な夜な呼び出して一発頭に蹴りを入れた。が、Bは実は脳梅毒(ニューロシフィリス。血液感染で腫瘍ができ、神経を圧迫する病気)を患っており、結果的に死んでしまった。Aは殺人罪に問われるだろうか。それとも傷害罪だろうか。はたまた過失致死だろうか。
2、CはDを殺すつもりでDを学校の校庭に呼び出し、暴行した。途中、雨が降り出したが気にせずに暴行していると、よろめいたDが、旗を立てる3メートルほどの金属のポールに倒れ掛かり、そこにちょうど雷が落ちた。雷は見事Dを直撃し、結果的にDは死亡した。Cは殺人罪に問われるだろうか。


↓(解答)


今回は上記のような設問である。
まずみなさんにしてもらいたいのは、この1、2の問題からどこが問題になるか…もっと直接的にいうと、刑法の教科書のどの単元のところにこの問題が載っているだろうか考えてもらう。
これを「論点の抽出」という。
論点を抽出するためには、まず典型例を想定する。
普通人が人を殺す典型例は、ナイフで刺す。刺した相手が刺した結果死ぬ。これである。
これと本件を比較する。
本件の1も2も、典型例と大きく異なる点がひとつある。
BもDも、「AとCが想定した手段以外の経路で死んでいる」のである。AとCが行った行為が、直接的にBとDの死につながっていないのがわかるであろう。

次に、この典型例と違っている部分を指す論点を教科書から探す。(目次から探すのがやりやすいと思う)
これは「因果関係」の問題なのではないか、という推測ができる。(目次を見て、もしかして錯誤じゃね?って思った人…実は優秀。時間と興味があったら、出題者が想定してはいなくてもその部分を読んでみると、いいことがある)

このことを元に、大谷實先生の刑法総論を読んでみる。
因果関係の章の中に、これと似た事例が載っている。(確認)
次にその周辺を読む。
ここではどんなことが問題となっているだろうか。
(ここは申し訳ないがたった10pなので読んでもらいたい。文字を追うだけでもかまわない。内容を把握してほしいが無理には言わない)
「因果関係の理論」のところを読むと、説が並んでいる。
どんな説があるか、整理してほしい。


ここまでをしておくと、サークル活動に積極的に参加できるようになる。
ここからの作業はとてつもなく苦労するものだろうとおもう。だが、学問を修める第一歩として、練習のつもりで取り組んでほしい。
今回はうpが遅かったことを陳謝します。



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