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公式第十三回

「責任」について

・「責任」を語る必要性
 →刑法は国民の自由を保障していた。(刑法の自由保障機能)
  →自分がわざとやった行為については自分で責任を負うべきだが、他人がした行為に責任を負っては国民がびくびくしながら生活をしなければならない。(ある日突然警察がやってきて、誰か別の人が犯罪をしたからといってあなたを捕まえにくるような社会が自由を保障しているとはいえない。):個人責任
   →刑法上の責任の範囲を明確にする必要がある。

・「責任」の内容
 ・「責任」とは、構成要件に該当する違法な行為をなしたことについての道義的責任、非難可能性をいう。
  →一人間として、その人が犯罪行為をしたことを非難できるかどうか:主観的責任
  ex.非難できないと考えられる例:赤ちゃん、障害者、よっぱらい

・「責任がある」というための要件(突破すべき壁)
 1、構成要件に該当し違法であり、さらに行為が違法であるという意識があること
 2、故意または過失があること
 3、責任能力があることーーーーーー↓
 4、期待可能性があることーーーーーーー→「責任阻却事由」

・「責任能力」とは
 →「刑法上の責任を負いうる能力」より詳細に言うと「事理を弁識し、または弁識に従って行動する能力」
  →あたらない例:刑事未成年(14歳未満くらい:そもそも事理を弁識できない扱い)・障害者(弁識した良心に従って行動できると考えられない)など
 ・責任能力は裁判時に審理されるが、責任能力の有無については行為当時を基準とする。

・原因において自由な行為
 ・責任能力の有無についての判断基準時は「行為時」。
  →「行為時」に責任能力がなければ処罰されないと言い切ると問題が生じる。
   ex.酒乱であるのを知っていてあえて酒を飲んで暴行に走った
  →処罰すべきではないか?
   →Y1、処罰すべきである。酒を飲むことがもはや犯罪行為の手段である。
   →Y2、処罰すべきである。因果性の有無から判断して、責任能力の判断時期をずらせばよい。
   →N、責任能力がないのだから、処罰できない。


**復習**
Q1、責任能力の判断基準時は「行為当時」とする原則を、なんというか。
Q2、刑法39条2項は「精神の障害により行為の違法性を弁識する能力、またはそれにしたがって行動する能力が著し低い者」について規定しているが、このような人のことをなんというか。漢字で書け。(ぜひ一度『手書きで』書いてみてほしい。テストでいきなり出ると困惑するものである:当社調べ)
Q3、Aは、「車で人をひいてみたい」と思って39条を確認し、責任能力がなくなっていれば処罰されない(もしくは減軽される)と考え、酒を飲んで車に乗ったところ、家から10mはなれたところの検問で捕まった。Aを「殺人未遂」として処罰すべきか。(根拠は難しいので、すべきかどうかだけでよい。考えてみてほしい)
Q4、Bは、「自分はてんかん持ちである」と知っているが、それをあえて隠して免許を取り、彼女を連れてドライブに行った。Bはその際、(人をひき殺すかも知れねぇなぁ…ま、いっか)というところまで予定していた(これを未必の故意といい、今回は故意ありと判断する)。このBについて、「殺人未遂」で処罰すべきか。その際、Q3Aとの相違も検討してほしい。



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